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歯肉炎と歯周病の違い

2017.12.01

こんにちは。

今回は歯肉炎と歯周病についてお話したいと思います。

歯肉炎と歯周病ってよく耳にはするけど、実際それぞれがどういうものか
分からないって方…多いと思います((+_+))!!

そもそも、歯周病の中に含まれるのが歯肉炎です。

歯肉炎とは、比較的軽度の炎症で、その炎症が歯の周囲にある歯茎だけに限局しているものを指します。
歯周病には歯肉炎の他に歯周炎という病気があり、この歯肉炎と歯周炎はどちらも歯周病と呼ばれています。

一般的には、歯周炎=歯周病と呼ばれることが多いため、わかりやすくいうと
歯肉炎は歯茎の炎症で、歯肉炎を放置したまま悪化してしまい、
歯ぐきだけではなく歯を支える骨にまで炎症が拡がり影響が出てしまうと、
歯周病(歯周炎)と呼ばれることになります。

そもそも歯周病の原因は?
歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し歯肉の辺縁が炎症を起こし赤くなったり、腫れたりします。
お口の中にはおよそ300~500種類の細菌が住んでいます。
これらの細菌はブラッシングが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。
これを歯垢(プラーク)と言い、粘着性が強くうがいをした程度では落ちません。
この歯垢(プラーク)1mgの中には10億個の細菌が住みついていると言われ、むし歯や歯周病をひき起こします。
その中でも歯周病をひき起こす細菌が特異的に存在していることが解明されています。

歯茎の状態を写真で比べてみるとこんな感じです!!

健康な歯肉の状態

歯茎が薄いピンクで引き締まっています。

歯肉炎

歯肉が赤く腫れあがり、ぶよぶよしているのがわかりますよね。
歯肉炎のなかでも軽度から重度まで様々ですが、こちらの方は重度の患者さんです。

歯周病(歯周炎)

歯肉がかなり下がって歯の根元が見えてきているのがわかりますね。

では、この2つの治療法はどう違ってくるのか?

歯肉炎は歯茎のみに限局していて、その他の歯の周りの組織は健康なままです。
そのため、歯肉炎では、早期治療を行えば元の健康な歯ぐきの状態に戻ることができます!
自宅では歯磨きの方法を見直し、きちんとプラークを除去できるブラッシング方法で歯を磨きましょう。
また、歯周病予防の効果がある歯磨き粉や洗口液を使うとよりいいです。
歯肉の炎症や出血を抑える成分や、粘膜を引き締める成分が配合された歯磨き粉がおすすめです。

そして歯科では、毎日の歯磨きで除去しきれないプラークを専用の器具で取り除いてくれるクリーニング治療をしています。
自宅でのケアとあわせて行うことで、より早期の治療が可能です。

ですが!ここで間違えてほしくないのは自宅での正しいセルフケアが最も重要だということです( ゚Д゚)!!
定期的に歯科へ行ってクリーニングを受けているから大丈夫だと思っている方、
間違ったセルフケアをしているのに自分ではセルフケアをきちんとしていると思っている方、
正直多いんです…。。。
特に後者の方が多く、なんで自分が?と思うかもしれませんが、
そこで歯科でのブラッシング確認や歯間ブラシやフロスの指導を受けることで
セルフケアの質が上がって歯肉炎を治したり、予防ができます!(^^)!

汚れが付いているところを染め出して、磨き方の確認を行ったりもします。
色がついている所がプラークや歯石が付いているところです。
皆さんも子供の頃にやりましたよね~懐かしいですよね(^-^)
歯科ではただ汚れが染まるものだけでなく、古い汚れと付きたての汚れの色が分かれるものもあります。

ですので、普段自分ではチェックできない細かいところまで見直しができるんです。
磨けていると思っていても、磨き方のクセは誰にでもあるので、
気付けないことに気付けるかもしれません◍˘‿˘◍

そして一方、歯周病(歯周炎)まで病気が進行してしまうと、骨などの歯ぐき以外の組織まで炎症が拡大してしまい、
丁寧な歯磨きだけでは改善が難しく、歯科医院でのしっかりとした治療が必要となります。

軽度の歯周炎では歯周病の基本治療や外科的処置を行い、中程度であれば組織の再生療法を行うことになります。
重度の歯周炎になってしまうと、これらの処置でも改善を図ることが難しいため、歯を抜かなければならなくなってしまいます。

今では歯周病は歯を失う原因の第一位です。

歯を失うことになる前に、治療や予防をしていくことが大事です。

当院では定期健診の際、年に1度は歯周病の検査をすることを勧めています。
歯肉炎は目で見てわかる場合が多いのですが、歯周病は自覚症状がなく進行していく病気です。
”静かなる病気”とも呼ばれているくらいなので、検査をしないと進行状況がわかりにくいのです。

歯を失う前に!!歯科に定期的に通ってくださいね(ɔ ˘⌣˘)˘⌣˘ c)

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